TOP 郷土史 昔話と史跡 Ageonism 埼玉県・上尾◆ 

『氷川神社の雨ごいのはなし』

 今からおよそ百五十年前、天保の時代に、雨ごいの行事が氷川神社で始まりました。

 幾日も日照りが続くと、二人の氏子の代表が、「いたくらさま」と言われている栃木県の雷電神社に湧き水≠もらいに行き、一本の竹筒に水を入れ、途中で足を止めたり休んだりせずに大切に運びました。ご利益がなくなってしまうからです。

 

 まず、神社の池に滑車に太い麻縄を通し、四斗樽をつけて、水をかい出す用意をします。それから、その頂いてきた湧き水≠振りかけて、池の水を汲み上げるのです。すると、新しい水が、次から次へと、池いっぱいに湧き出ました。その水を、神社から芝川へかけた樋(とい)に通し、川に流れるようにしたのです。この雨ごいの行事は、中山道から東側の界隈のほとんどの人が、みんな総出で、麻縄の綱を引きに集まったということです。

 今でも氷川神社に祀られている手水石(ちょうずいし)≠フ裏側には、

    『天の風地と水をもて
             祓(はら)うとて
                  清き心の 人の祈りを』


 という言葉が残っています。