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『氷川神社の雨ごいのはなし』
今からおよそ百五十年前、天保の時代に、雨ごいの行事が氷川神社で始まりました。
幾日も日照りが続くと、二人の氏子の代表が、「いたくらさま」と言われている栃木県の雷電神社に湧き水≠もらいに行き、一本の竹筒に水を入れ、途中で足を止めたり休んだりせずに大切に運びました。ご利益がなくなってしまうからです。
まず、神社の池に滑車に太い麻縄を通し、四斗樽をつけて、水をかい出す用意をします。それから、その頂いてきた湧き水≠振りかけて、池の水を汲み上げるのです。すると、新しい水が、次から次へと、池いっぱいに湧き出ました。その水を、神社から芝川へかけた樋(とい)に通し、川に流れるようにしたのです。この雨ごいの行事は、中山道から東側の界隈のほとんどの人が、みんな総出で、麻縄の綱を引きに集まったということです。
今でも氷川神社に祀られている手水石(ちょうずいし)≠フ裏側には、
『天の風地と水をもて
祓(はら)うとて
清き心の 人の祈りを』
という言葉が残っています。
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