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『竜山院の耳だれ様』

 今から二百四十年も前、病気になってもお医者様には、なかなか、かかれなかったころのお話です。

 上村にある竜山院のお坊さま果寿(こうじゅ)は、それはそれはお酒が好きで、いつもどぶろく≠作って飲んでいました。そのどぶろく≠ヘひどい耳だれでも治してしまうという評判でした。'こより'をひたし、耳の中に差入れるとぴたりと治ってしまったというのです。

 村の人たちは、このお坊様を耳だれ様≠ニ呼び、大変尊敬していました。お願いする時にお酒を供え、病気が治ったらお礼に倍のお酒を供えました。

 そのどぶろく≠入れた竹筒が、今でもお寺に残っています。