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『とらごいし』

 それはそれは、美しい娘だったそうな。原市の長者様の娘おとら≠フこと。

 十四の春を迎えるころには、その評判は、遠くまで知れ渡り、大勢の若者が、結婚を申し込みにおとずれ、屋敷中いっぱいだったそうじゃ。誰にしたらよいか決めかね悩んでいるうちに、痩せ衰えて、とうとうおとら≠ヘ死んでしもうた。

 悲しみにくれながらも父親は、若者たちを招いてもてなしをし、おとら≠フ亡くなったこと、そして、みなさんにひとしく≠ニいう娘の切ない気持ちを伝えたんだそうじゃ。

 




 


 このおとら≠フ心根を弔うために碑(墓)建てました。その墓が「虎御石」と呼ばれる石で、今は相頓寺にあります。